ベーピング関連肺障害に関するスペシャルレポート

ベーピング関連肺障害に関するスペシャルレポート

合成カンナビノイドとベーピング関連肺障害の関係を精査する必要があります。
合成カンナビノイドとベーピング関連肺障害の関係を精査する必要があります。

べーピングに関連する疾患について、疾病対策センター(CDC)は毎週情報をアップデートしていますが、その最新の報告によると、アメリカの 49州、ワシントン DC、米国領バージン諸島においてこれまでに、電子タバコまたはべーピング製品の使用によるものと確定している、あるいはその可能性が高いとされる死者数は 39名、患者は 2,051名にのぼります。CDC は、ベーピング関連肺障害を見分けるためのガイドラインは提供していますが、ベポライザーまたは電子タバコを使用したこと以外の、すべての症例に共通する要因はまだ明らかになっていません。

Project CBD が科学文献を徹底的に検証したところ、CDC が現在流行中のベーピング関連肺障害の診断基準としているものが、「合成カンナビノイド」の使用による呼吸器障害の症状に類似していることがわかりました。合成カンナビノイドとは、研究のために開発された、検知するのが難しく、エンドカンナビノイド・システムに強烈に作用する一群の化合物です。

合成カンナビノイドの有毒性

合成カンナビノイドの使用によって引き起こされる呼吸障害については多数の症例報告があります。合成カンナビノイドは、びまん性肺胞出血や急性呼吸不全を含む、ときには死につながることもあるさまざまな健康問題の原因となる、と、Project CBD が発表したスペシャルレポート『見えないところで:合成カンナビノイドと「ベーピング関連肺障害」』の著者、エイドリアン・デヴィット=リーは言います。

Project CBD のチーフ・サイエンス・ライターであるデヴィット=リーは、合成カンナビノイドの有毒性に関連する複数の症例報告を挙げて、そこに共通した症状(すりガラス陰影、血管破裂、肺に水が溜まることによる酸素不足等々)があり、それがべーピング関連肺障害であると断定された症例の症状に合致していることを指摘しています。

ところが、この顕著な症状の類似にもかかわらず、CDC はべーピング関連肺障害に関する週報の中で合成カンナビノイドには言及していません。Project CBD としては、これは深刻な怠慢だと考えます。医療従事者や公共政策の専門家が、べーピング関連肺障害の原因となっているさまざまな要因をよりよく理解し、最善の対処法を模索する中で、合成カンナビノイドについて慎重に精査する必要があります。

合成カンナビノイドとは何か?

合成カンナビノイドというのは、テトラヒドロカンナビノール(THC)その他さまざまな大麻成分の作用を媒介するエンドカンナビノイド・システムに作用するように設計された、研究用の化合物のことです。ただし合成カンナビノイドの分子構造は THC のものとは大きく異なっていて、大麻草が自然に産生するカンナビノイドよりもはるかに危険です。

「合成カンナビノイドは、色々な意味で、大麻が禁じられたことによってできた産物である」と Project CBD はスペシャルレポートの中で述べています。「合成カンナビノイドが蔓延したのは大麻がスケジュール1の薬物であるためで、それによってエンドカンナビノイド・システムを理解するための研究が阻害されています」

ごくわずかな例外を除き、科学者が大麻草の花穂や抽出されたオイルを使って研究を行うことは許されていません。そこで分子化学者は、人間の健康と疾患に大きな役割を果たしている複雑なエンドカンナビノイド・システムを研究するための、強力な新しい化合物、合成カンナビノイドを設計したのです。

基礎研究に使われるこれらの化合物は、人間が摂取するために設計されたものではなく、研究室の外では使われないはずのものなので、その安全性はあまり重要なことではありませんでした。ところがそれらの化学式が科学誌に掲載されると、闇市場の製造業者がその複製に成功し、大麻の合成代替品として販売するようになったのです——そして悲劇が生まれました。

合成カンナビノイドと大麻草

Project CBD のスペシャルレポートにあるように、合成カンナビノイドと THC をはじめとする天然のカンナビノイドの間には、いくつかの重要な違いがあります。合成カンナビノイドは通常、THC よりもはるかに強力で、THC による陶酔作用を媒介する CB1受容体とより高い親和性があります。つまり、THC を過剰に摂取すれば不快ではありますがこれまで誰もそれで死んでいないのに対し、誤って合成カンナビノイドを摂りすぎ、深刻な、ときに命取りになるような結果を招くのは容易いことなのです。

大麻草やその他のハーブにスプレーしたり、電子タバコのジュースやベープオイルに加えられたりする合成カンナビノイド(スパイス、K2 などの名称で呼ばれます)は、安価に製造でき、検知するのが難しいので、非合法製品の製造者にとっては非常に儲かる製品です。闇市場の製造業者は、低品質の大麻オイルを希釈し、合成カンナビノイドを混ぜることでより「ハイ」になる製品を作って利益を上げることができるのです。

世界中のさまざまな製品から、多数の合成カンナビノイドが見つかっています。また合法市場においても合成カンナビノイドのテストは義務付けられていませんから、THCCBD のベープ製品やニコチンの電子タバコを含め、合法な製品からも非合法な製品からも合成カンナビノイドが検出されています。

規制当局には、合成カンナビノイドの検知を非常に困難なものにしている数々の難題が待ち構えています。「含まれている可能性がある数百種類もの合成カンナビノイドを一度のテストで検出するのは不可能に近く、しかも新しい合成カンナビノイドが年々製造されている」こと、また、こうしたデザイナードラッグの多くは「THC より桁違いに強力」で、「THC の 100倍の効力のある化学物質を検出するためには非常に低い濃度を検出しなければならず、検査ラボのほとんどは、合成カンナビノイドの検出に特化していない」と Project CBD のスペシャルレポートは指摘しています。

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Revision date: 
11月 11, 2019

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