口腔潰瘍、婦人科系の疼痛、脊髄障害

口腔潰瘍、婦人科系の疼痛、脊髄障害

CBDや大麻が症状を緩和させる、という患者の証言が科学的に立証されつつあります。
CBDや大麻が症状を緩和させる、という患者の証言が科学的に立証されつつあります。

1978年、『ブッシュ・ドクター』という歌の中でピーター・トッシュは、聴く人がおや? と思うような2つの疾患を挙げて大麻の健康効果を謳っています。緑内障と喘息です。でもトッシュは正しかったのです。事実、緑内障は、1970年代の終わりにアメリカ政府が缶入りのジョイントを患者に提供した、最初の適応症の一つです。また同じ頃行われた実験でも、大麻の煙が気管を拡張させることが分かっています——逆の作用を持つタバコの煙とは違うのです。

トッシュが今も生きていたら、近年の研究で大麻や CBD の治療効果が科学的に裏付けられた疾患の信じられないような多様さに驚嘆し、やはり自分は正しかった、と思ったことでしょう。現在研究が進んでいる疾患も多数ありますし、少なくともエンドカンナビノイド・システムとの関連があるのではと考えられている疾患がその他にもあります。

トッシュはと言えば、1976年の曲『Legalize It』の中でも、インフルエンザ、結核、そして「ヌマラ・ソロンボーシス」という謎の病気の治療薬として大麻を礼賛しています。ヌマラ・ソロンボーシスというのが何なのかが明らかになることはないでしょうが、ここでは、あまり知られていない、大麻とカンナビノイドが奏効する意外な疾患について、各専門分野の学術誌に掲載された論文3つをご紹介します。

CBDと口腔潰瘍

CBDが奏効するかもしれない多くの疾患の一つに口腔潰瘍があるのではないかと考えたのは中国の研究者たちでした。それを調べるため、CBDを3種類の濃度(1ミリリットルにつき 0、1、10ミリグラム)で含む溶液を、マウスの舌の潰瘍に3日間スプレーしました。今月の『Journal of Dental Research』に掲載された論文によれば、この実験の結果、CBD を投与されたマウスでは対照群と比べて治癒が早かったばかりでなく、高濃度の集団の方が低濃度の集団よりも効果が認められました。

著者らは、この効果の作用機序についても調べています。彼らは、この作用は主に、CBD の主たる作用標的である PPARγ 核内受容体の直接的な活性化による免疫反応と炎症経路によるものであり、また程度は低いものの CB1 受容体の部分的活性化も関与しているとしています。この研究の資金の一部は中国に拠点を置く製薬会社が提供しています。

PEAと婦人科系の疼痛

カンナビノイドが疼痛と炎症に効くということはよく知られています。そこで、ジョンズ・ホプキンス大学医学部産婦人科の研究チーム(現役の産婦人科医を筆頭著者とする)は、婦人科系の疼痛に対して大麻を使用した既存の論文の系統的レビューを行いました。婦人科系の疼痛には、世界中で 14人に 1人の女性が罹患するとされる骨盤痛、月経困難症、慢性外陰部痛、子宮内膜症、間質性膀胱炎(膀胱痛症候群)、婦人科悪性腫瘍などが含まれます。

レビューの対象基準を満たした論文は 16本あり、レビューの結果は今月の『Obstetrics and Gynecology』誌に掲載され、また同誌の2月のポッドキャストでも紹介されています。内訳は、パルミトイルエタノールアミド(PEA。内因性カンナビノイドに似た化合物)または脂肪酸アミドヒドロラーゼ(FAAHPEA や内因性カンナビノイドを分解する酵素)の阻害剤のいずれかを含む薬の効果を評価した無作為化対照試験が2件と前向きコホート研究6件、大麻の使用について評価した横断研究が8件でした。

「アンケートの結果は、ほとんどの女性が、様々な婦人科系の疾患からくる疼痛を大麻が緩和させたと報告している。(…)PEA を含む薬を用いたコホート研究と無作為化対照試験では疼痛の軽減が報告されている」と論文は述べています。期待の持てる結果ですが、こうした結果にはいつもながらさまざまな注意事項が付きもので、「大麻の成分、摂取方法、用量などが統一されていないこれらの論文の解釈には限界があり、婦人科系の疼痛の軽減に対する大麻の効能については決定的な結論は導き出せない」と書かれています。

大麻と脊髄障害

同じく 2022年 2月に『Current Reviews in Musculoskeletal Medicine』に掲載された新しい論文は、4種類の「脊髄障害」、すなわち慢性腰痛、脊髄損傷、手術前後、そして一般的な整形外科的障害に対する大麻およびカンナビノイドの使用に関する研究を要約しています。このナラティブレビューは4種類のそれぞれについて主要な研究と論文を同定し、痛み、痙性、術後回復、オピオイド使用を含むさまざまな項目について明らかになったことをまとめています。

一言で言えば、脊髄障害に対する大麻の使用についてはエビデンスが少なく、概して品質も低いのですが、中には期待の持てる結果もあります。

「これは筋骨格系の研究における、興味深くまた急速に進んでいる分野です。脊髄障害の患者は非常に激しい慢性疼痛に悩まされることがあり、その治療の選択肢はあまりありませんから」と、主著者でありノースウェスタン大学病院の整形外科医である Srikanth Divi は Project CBD に宛てた Eメールで述べています。

「手術を受けた患者に常にその使用を勧められるようにするにはまず、大麻が脊椎固定術や長期的な合併症に対してどのような生物学的作用を持つのかを知らなければなりません。それには大々的な前向き研究が必要です。現時点では、手術ができず、CBD または THC を含む製品で痛みが軽減されると言う患者に対しては、効果的な代替治療法だと思います」



Nate Seltenrich は、サンフランシスコのベイエリアに住む科学ジャーナリスト。環境問題、神経科学、薬理学を含む幅広いテーマについて執筆している。

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参照文献

 

Revision date: 
2月 16, 2022

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