ネーミングにご用心:
インディカ・サティバはもう古い

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インディカ・サティバはもう古い

品種名やそれが育種されてきた歴史よりも重要な意味を持つのは、大麻に含まれるテルペンの内容です。
品種名やそれが育種されてきた歴史よりも重要な意味を持つのは、大麻に含まれるテルペンの内容です。

1970年代以来、大麻ユーザーは大麻を2種類に分類してきました。インディカ種とサティバ種です。でもこの分け方は間違っています——よく言っても問題がありますし、悪く言えばこれは恣意的で人に誤解を与える分け方です。栽培者や加工製造業者の一部はこの言葉の使い方を再考し始めていますが、この用語は、合法市場でも闇市場でも未だに幅広く使われています。

「インディカ」という言葉は通常、人をリラックスさせ落ち着かせる大麻の品種やそれから作られた製品を、「サティバ」という言葉は気分を高揚させ活力を与える作用があることを示します。大麻にまつわる民間伝承によれば、この明らかな二分法は、異なる作用を持つ2つの明確な遺伝系統に端を発しています。

けれども、『Nature Plants』誌に最近掲載された論文はこの考え方に——少なくとも、現在乾燥大麻を説明したり販売したりする際のその使われ方について——異論を唱えています。さらに、品種名そのものが、その品種の遺伝的特徴や化学組成を正しく示していないことも明らかにしています。

名前のつけ間違い

2021年 10月に掲載された、「Cannabis labelling is associated with genetic variation in terpene synthase genes(大麻草の名称はテルペンのシンターゼ遺伝子の遺伝的変異に関連する)」と題されたこの論文は、カナダのダルハウジー大学、オランダのヴァーヘニンゲン大学、そして同じくオランダの大麻医薬品企業べドロカン・インターナショナルによる共同研究です。

著者らはまず、300 種近い大麻草の検体に含まれる 40 種類のテルペンの量を、ガスクロマトグラフ質量分析計(GC-MS)を用いて測定しました。次に、高品質の DNA を抽出することができた 137検体について、ゲノム解析を行いました。最後に、GC-MC とゲノム解析から得られたデータと、検体となった製品のインディカ種・サティバ種という分類がどれくらい一致しているかを分析しました。

すると案の定、インディカ種またはサティバ種と分類された検体は、ゲノム全体で見ると遺伝的な差はないことが、それぞれの検体の全遺伝子を参照した著者らによって明らかになりました。このことは、ある品種の育種の経緯(「品種 X を品種 Y と掛け合わせた」)に関する情報は一般に思われているほど役に立たないということを示しています。同様に、検査された6種類のカンナビノイド(THCCBGCBDTHCVCBDCBGM)の含有量と、それがインディカ種とサティバ種のどちらに分類されているかということには関連がありませんでした。検査された 34種類のテルペンの大部分についても同じでした。

この研究でわかった最も重要なことは、大麻草の「タイプ」は、あるごく少数のテルペンの含有量と最も密接な関係がある、ということでした。現在すでに大麻製品のユーザーや販売者の間で広がりつつある、より透明性のある命名の仕方の方が適切であることを裏付けるエビデンスが増加していますが、この論文の結論もその一つです。製品のテストが普及し、洗練された化学分析が可能になるなかで、大麻草の分類においては今後ますますテルペンのプロファイルが重視されるようになるでしょう。

テルペンこそが鍵

この研究に限って言えば、サティバ種に分類された検体に一番多く含まれていたのはセスキテルペンで、木のような、あるいは紅茶のような香りがあり向精神性は認められないベルガモテンと、多くの消費者がサティバ種の品種に期待する通りのフルーティーな香りを与え、同時に(気分を高揚させる品種と言われるのとは裏腹に)気分を落ち着かせる効果があると考えられているファルネセンでした。

一方、インディカ種として販売されている製品で最も多かったのは、モノテルペンの一種で土臭い香りと鎮静作用があるミルセン、セスキテルペンであるグアイオール(松のような香りで、向精神作用の有無は不明)、そして γ-オイデスモールと β-オイデスモール(木のような香り食欲増進作用があるとされる)でした。著者らが、以前行われた研究で、この3種類のテルペンはインディカ種である大麻草の原産地とされるアフガニスタンの自生植物と関わりが深いことがわかっている、と述べている点はまさに納得できます。

「この結果は、現在大麻草に名称をつける際に使われる、サティバ種寄りかインディカ種寄りかという物差しでは、ゲノムと代謝学的観点から総合的に見た品種間の違いをうまく反映できないことを示している」と論文は述べています。つまり、サティバかインディカという言い方では、その大麻草の遺伝的・化学的組成はほとんどわからないのです。

著者らはさらに続けて、「現在『サティバ』と『インディカ』という言葉が意味するものと矛盾しない、実用的で信頼の置ける分類システムは、少数のテルペンの含有量を数値化する、または大麻草で重要な香りの遺伝子マーカーによる分類、あるいはその両方によって可能かもしれない」と述べています。

別の言い方をすれば、もしもサティバ種とインディカ種という呼び方を続けたいのであれば、血統、その品種が育成された過程、あるいはどういう特徴があるかという漠然とした想像ではなく、特定のテルペンまたは遺伝子マーカーの分析に基づくべきでしょう。結局のところテルペンは、消費者の選択を左右する香りを大麻草に与えるだけでなく、嗜好大麻および医療大麻のユーザーが特定の品種や分類の製品を選ぶ際に求める精神的・身体的に重要な作用に影響を与えるのですから。



Nate Seltenrich は、サンフランシスコのベイエリアに住む科学ジャーナリスト。環境問題、神経科学、薬理学を含む幅広いテーマについて執筆している。

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Revision date: 
11月 2, 2021

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