ナツメグに含まれる化学成分がアナンダミドを増やす

ナツメグに含まれる化学成分がアナンダミドを増やす

ミリスチシンその他のメスカリン様分子を含むナツメグは、大量に摂ると幻覚作用があります。

ナツメグ(学名 Myristica fragrans)は冬のスパイスとして人気です。でも、ミリスチシンその他のメスカリン様分子を含むナツメグは、大量に摂ると幻覚作用があります。シカゴ州立大学の研究者らは、最近の論文で、ナツメグに含まれる化学成分がエンドカンナビノイド・システムにも作用する可能性があることを報告しています。

『Journal of Pharmacy and Pharmacology』誌に掲載されたこの論文は、ナツメグに含まれる 13種の化合物について、内因性カンナビノイドの分解を遅らせることができるかどうかを、FAAH(脂肪酸アミド加水分解酵素)と MAGL(アシルグリセロールリパーゼ)の阻害を計測することによって調べました。この2つの酵素は、アナンダミドと 2-AG の大部分を炎症性のアラキドン酸に変換する役割があります。

その結果、ナツメグに含まれる化学成分のうちの数種類は FAAH を阻害しますが、MAGL に対して特に活性を持つものはありませんでした。この阻害作用は可逆性のもの、つまり化学成分を洗い流せば FAAH 酵素の活性は回復しました。これは重要な点です。なぜなら、不可逆な FAAH 阻害剤にはより深刻な副作用があると思われるからです。

最も強力な FAAH 阻害薬は 5’-methoxylicarin A と呼ばれる分子でした。さらに研究者らがこの分子を不安神経症のマウスモデルに与えたところ、不安行動を軽減させることがわかりました。(ただし、現実的な用量で抗不安作用があるかどうかは不明です。)

この研究結果が、昔から「ナツメグはマリファナの二流の代用品である」と言われている理由の説明になってほしい、と著者らは述べています。この他にも、自然界に豊富に存在する、内因性カンナビノイドの働きに影響する化合物に関する論文はたくさんあります。

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