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サンフランシスコ在住のがん専門医、ドナルド・エイブラムス(Donald Abrams)博士は、HIV 治療薬やオピオイド系医薬品と大麻を併用した場合の安全性に関する初期の研究を含め、大麻研究を大きく推し進めた方です。博士は、『がん専門医は医療大麻を推奨すべきか?』と題された最近の論文の中で、がん患者のケアにおいて医療大麻ができることについて論考しています。その答えは、一言で言えば「イエス」です。

科学的なデータをまとめる中で博士は、見過ごされることの多いさまざまな所見を述べています。大麻をがん患者のケアに使う、ということ自体は目新しいことではありません — その最古の例としては、今から2700年前の、Siberian Ice Maiden(シベリアの氷の乙女)と呼ばれる女性の遺体が残っています。この女性には乳がんがあり、遺体には大麻の入った袋が添えられていました。現代に目を移すと、1986年には純粋な THC が、抗がん剤による悪心の治療のために認められており、より最近の研究では、THC 単体ではなく大麻草全草を使うと悪心が抑えられることを裏付けています。

ただし興味深いことに、初期の研究では THC が患者の体重を増やすことに役立つという結果は見られませんでした。(実際に近年の研究でも、日常的な大麻の使用肥満度指数の低下につながるという結果でした。)エイブラムス博士は患者とのやり取りを通じて、現代的な制吐薬(ゾフラン、オンダンセトロンなど)よりも大麻を吸うことを好む人が多いことを知りました。大麻は副作用が少なく、あっても程度が軽いからです。患者が医療大麻を試すきっかけは、多くの場合疼痛です。THC が末梢神経性の疼痛を抑えることを示すエビデンスは豊富です。CBD の疼痛に対する効果に関しては臨床証拠があまりありませんが、炎症によって生じる疼痛に一番効果があるようです。

医師はよく、臨床試験結果の不在を医療大麻が信用できない理由として挙げますが、「エビデンスの不在は医療効果の不在を証明するものではない」のです。具体的な使用ガイドラインがない医療大麻を患者に推奨することを医師は不安に思いますが、エイブラムス博士は、大麻は「安全かつ効果的であって、処方箋の必要がない」と述べています。医療大麻についてはまだまだ学ぶべきことがたくさんありますが、不確実であることを理由に医療利用を避けるべきではありません。

論文『がん専門医は医療大麻を推奨すべきか?』の日本語訳はこちらから。

Should Oncologists Recommend Cannabis?

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