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肌に薬を塗りたい、という思いは、太古の昔から人間が持っていたものです。けれども、油性の物質を塗ることは、本当に肌の状態を良くする効果があるのでしょうか? 仮にあるとして、どういうものを、何のために使えばよいのでしょうか? 肌がどのようにして自らを護り、良好な状態を維持するのか、またその働きを助長できるものがあるとしたらそれは何なのかについて見ていきましょう。

表皮の一番外側の層のことを角質層と呼びます。角質層はいわば皮膚細胞の防護壁であり、その周りを、私たちの肌が持っている天然の脂質からなる基質が取り囲み、それらが一体となって皮膚を護っています。人間の体自体が脂質を作り出すのであれば、私たちはなぜそれ以上の脂分を外から取り込もうとするのでしょう?

いくつか理由があります。

皮脂その他、肌が分泌する脂質は、皮膚細胞の柔らかさと潤いを保ち、アレルギー、病原菌、水分損失から肌を護るためのものですが、往々にして不足しがちです。最近『International Journal of Molecular Science』に掲載された論文によれば、皮膚疾患のほとんどは肌のバリア機能の低下が関係しており、それが、水分損失、浸透性の低下、肌の乾燥や肌荒れ、そして最終的には皮膚疾患の原因となります。

加齢、日光への露出、タバコの喫煙、劣悪な食生活、大量のアルコール摂取などによって長年にわたって蓄積した DNA の損傷や、暑くて乾燥した天候などの環境的要因などはどれも、肌のバリア機能を損傷します。肌をクレンジングしすぎたり、刺激物、洗剤その他、肌の自然な脂質を奪う製品に露出しても同様です。バリア機能が損なわれた肌は微生物叢が貧弱になり、病原菌、細菌、刺激物質、アレルゲンなどに対して脆弱になります。それによって炎症が起こりやすくなり、それがバリア機能をさらに低下させることによって症状が悪化するのです。

なぜスキンオイルを使うのか?

市販のスキンクリームやローションのほとんどは、大量の水、油(天然のもの、合成のもの、あるいは石油系のもの)、軟化剤(たとえばシリコン)、化学乳化剤、増粘剤、中和剤、保湿剤、香料、保存料、着色料などでできています。よく使われている材料の中には肌を刺激するものもあって、スキンケア製品を使う目的が肌のバリア機能を回復させて表皮の健康を保つことであるのと矛盾しています。

天然の植物から作られたオイルは、昔からたくさんの国々で、肌の健康と見た目を良くするために使われてきました。外用薬としてのオイルは二つに分類されます。一つは固定油(またはキャリアオイル)と呼ばれるもので、機械的なコールドプレス製法で抽出され、天然のワックスや脂質が保持されています。もう一つはエッセンシャルオイル(精油)で、こちらは熱を使って抽出され、植物の香り、味、その他その植物が持つ強力な効能の源である揮発性の高い化合物、テルペンが高い濃度で含まれます。

キャリアオイルを選ぶときは、同じ天然のオイルでも、肌への作用はどれも同じではないことに留意することが大切です。抗菌作用、抗がん作用、抗酸化作用を持つものもありますし、そのオイルに含まれる必須脂肪酸の割合によって肌のバリア機能としての効力も変わってきます。リノール酸がオレイン酸よりも多く含まれるオイルの方が、バリア機能を高めることがいくつかの研究でわかっています。

自分で局所薬(トピカル)をつくる

今まで良いスキンオイルに出会ったためしがない、という人には朗報です。多くの人の思い込みとは対照的に、質の良い局所薬は、いったん肌に浸透した後は油っぽくなったりベタベタしたりしません。使い慣れると癖になると思います。たしかに CBD オイルには、色々な化学物質が満載のクリームのような、フワフワとクリーミーでなめらかな質感はないかもしれませんが、カンナビノイドを含む製品は、非常に繊細なバランスを保っている皮膚のバリア機能に問題が生じる可能性も低いのです。

CBD を豊富に含む高品質なオイルを他の適切な材料と組み合わせることによって得られるベネフィットは、時間が経つにつれて、それが肌の状態を改善し、護ることです。スキンオイル製品のほとんどは、1種類あるいは2種類以上のキャリアオイルと、ごく少量のエッセンシャルオイルでできています。そこに CBD が加われば、肌の問題の多くに関係する炎症を抑えるのに役立ちます。

あなたに合ったスキンオイルを作る最善の方法は、さまざまな植物性オイルが持っている効能を調べ、必要に準じて組み合わせることです。

仕上げのCBD

CBDには強力な抗酸化作用、抗がん作用、抗菌作用、抗炎症作用がありますから、自然なスキンオイルを作る際に材料として加えるには最適です。高 CBD オイルは大麻草からもヘンプからも作れますが、できれば大麻の売買が合法できちんと管理されている州の、第三者機関の検査を受けた信頼できる会社のものを選ぶと良いでしょう。私のお薦めは、フルスペクトラムで CO2 を使って抽出され、MCT(中鎖脂肪酸トリグリセリド)オイルで希釈されたものです。MCT オイルとは、ココナッツオイルを精製して一部の脂肪酸を除去し、化粧品に使いやすくしたものです。

これからご紹介するのは、肌に栄養を与える植物性の高 CBD のフェイシャルオイルで、ほとんどの肌タイプに使えます。オーガニック栽培された植物からコールドプレス製法で抽出された化粧品グレードのキャリアオイルは、多くのオンラインショップで入手が可能です。

高CBD 美容クリームの作り方

Ingredients:

  • ホホバオイル 大さじ1
  • スイートアーモンドオイル 大さじ1
  • アプリコットカーネルオイル 大さじ1
  • ローズヒップオイル 大さじ1/2
  • アルガンオイル 大さじ1/2
  • CBD 600 mg 分を含む、MCTオイル(分別蒸留ココナッツオイル)をベースにしたフルスペクトラムのCBDオイル 15〜30ミリリットル

オプション:香りづけと肌への効能を高めるために、1種類〜3種類のエッセンシャルオイルを各6〜8滴加えてもよいでしょう。たとえば:

  • ジャスミン(抗酸化作用、創傷治癒促進作用、抗菌作用)
  • タンジェリン、オレンジ、レモン、ネロリ(抗がん作用、皮膚の吸収を促進する)
  • ラベンダー(抗炎症作用)
  • ローズ(抗酸化作用)
  • クラリセージ(抗酸化作用、抗菌作用)
  • フランキンセンス(抗炎症作用、 創傷治癒促進作用)
  • サンダルウッド(抗炎症作用、抗菌作用)
  • カモミール(刺激を抑える)

陶器、ガラス、またはステンレスチール製のボウルで材料を混ぜ合わせ、濃い色のスポイト付きボトルに入れて冷暗所に保管します。CBDオイルの濃度にもよりますが、およそ 75〜90 ミリリットルのオイルができ、標準的な使い方なら2〜3か月使用できます。

使い方

使うのは少量で十分です。使う量が多すぎれば皮膚のバリア機能を損ないます。朝一番、または夜寝る前に、4〜6滴ほどを顔と首に、それより少し多い量をデコルテに塗りましょう。指先にオイルを取り、軽くこすり合わせてから、洗ったばかりの顔と首に優しくパッティングするようにして、全体に塗り拡げます。他のスキンケア製品を使用したり服を着替えたりする前に数分間、肌がオイルを吸収するのを待ちましょう。

このオイル6滴におよそ10ミリグラムの CBD が含まれます。これは通常市販されている高価な CBD 入りスキンケア製品よりに含まれるよりもはるかに多い量です。このオイルはもちろん全身に使えますが、そうすると少々高く付くかもしれません。節約のため、使うのは顔とデコルテだけ(このオイルを一番必要としている部分です!)にし、ボディ用にはもう少し経済的なオイルを作ってもよいですね。 


Project CBD の寄稿者メリンダ・ミスラカ(Melinda Misuraca)は、以前は昔ながらの方法で、高CBDの大麻を栽培していた。

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参照文献:

  1. Lin TK, Zhong L, Santiago JL. Anti-Inflammatory and Skin Barrier Repair Effects of Topical Application of Some Plant Oils. Int J Mol Sci. 2017;19(1):70. Published 2017 Dec 27. doi:10.3390/ijms19010070
  2. Lodén, Marie. (2016). Treatments Improving Skin Barrier Function. Current problems in dermatology. 49. 112-122. 10.1159/000441586.
  3. Sharifi-Rad, Javad et al. “Biological Activities of Essential Oils: From Plant Chemoecology to Traditional Healing Systems.” Molecules (Basel, Switzerland) vol. 22,1 70. 1 Jan. 2017, doi:10.3390/molecules22010070
  4. R Vaughn, Alexandra & K Clark, Ashley & Sivamani, Raja & Y Shi, Vivian. (2017). Natural Oils for Skin-Barrier Repair: Ancient Compounds Now Backed by Modern Science. American journal of clinical dermatology. 19. 10.1007/s40257-017-0301-1.

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