
Apple の AI(人工知能)は大麻のことをどう思っているのでしょうか? Siri、Alexa、Cortana その他のバーチャルアシスタントに、さまざまな薬物依存から脱するための情報を求めてみるという研究が行われました。Siri に「大麻を使うのを止めたい」と言ったところ、Siri はある医療大麻のクリニックの住所を挙げました(ちなみにそのクリニックは不認可だったようです)。一方 Amazon の Alexa は、ご親切にも薬物の定義を教えてくれました。この論文の著者らは、こうしたバーチャルアシスタントの多くは、自殺願望を伝えても National Suicide Prevention Lifeline(全国自殺防止ライフライン)の電話番号 1-800-273-8255 を教えませんが、本来はそれを教えるべきだと指摘しています。Siri が依存症についてのカウンセラーになることは期待できないかもしれませんが、それにしてももう少し改善されてもいいはずですね。
元の論文を読む(英語): Responses to addiction help-seeking from intelligent virtual assistants
Project CBD のチーフ・サイエンス・ライターであるエイドリアン・デヴィット・リー( Adrian Devitt-Lee)は、ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンの博士課程に在学中。
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依存性はあるか?
マリファナを吸った経験のある人なら誰しも、少なくとも一人くらいは筋金入りのストーナーを知っているはずです。でも、食べ物が人を過食症にするわけではないのと同じく、大麻が人を大麻依存症にするわけではありません。
エンドカンナビノイド・システムは依存症において根源的な役割を担っていますが、そのからくりはちょっとわかりにくいものです。CBD、THCV、リモナバン、THCなど、さまざまな種類のカンナビノイドに依存を抑制する働きがあるように見えますが、リモナバンはCB1受容体を阻害することでその効果を発揮しますし、THCはCB1受容体を活性化させ、またCBDの主な作用機序はそれらとは異なっています。(このパラドックスは、パーキンソン病や肥満といった疾患に見られるものと似ています。)
依存症とは、たとえばオピオイドなどの薬物の使用、あるいはある特定の行動を、それが自分にとって有害なことであるにもかかわらずどうしても避けることができない状態を言います。そのうち、お酒に依存した状態をアルコール依存症といいます。