CBG – 魅力的な医療効果を秘めた化合物

CBG – 魅力的な医療効果を秘めた化合物

“すべてのカンナビノイドの母” と呼ばれるCBGについて、わかっていることをまとめましょう。
“すべてのカンナビノイドの母” と呼ばれるCBGについて、わかっていることをまとめましょう。

CBG について懐疑的な人がいても仕方ないと思います。政府による監督のないCBD製品が万能薬としてコンビニやスーパーマーケットで販売され、睡眠効果があるはずの CBN にはそれほどの効果を感じられず、法の網をかいくぐるために作られた怪しげなヘンプ由来の Δ8-THCΔ9-THC 製品が巷に出回っているのですから。でも、健康意識の高い大麻ユーザーの注目を次に集め、しっかりと検証すべきカンナビノイドは CBG、カンナビゲロールである、との意見があります。

CBGは、よく「すべてのカンナビノイドの母」と呼ばれます。CBG の先駆体である酸性カンナビノイド、CBGA が、同時にテトラヒドロカンナビノール(THC)、カンナビジオール(CBD)その他の、大麻草に含まれるさまざまなカンナビノイドの先駆体でもあるからです。大麻草が成熟するにつれ、CBGA のほとんどは他のカンナビノイドに変換され、乾燥させた段階ではわずかな CBG しか残りません — 通常は乾燥重量で 1% 以下です。ただし、特別に育種された品種の中には、20% 近い CBG が含まれているものもあります(THC はほとんど含みません)。医療大麻を使う人々にとっては、これは朗報かもしれません。

強力だが陶酔作用はない

CBG は、「大麻研究のゴッドファーザー」ことラファエル・ミシューラム博士と、博士がしばしば共に研究を行ってきたイェヒエル・ガオニ博士が、1964年に単離し1 、1971年に合成に成功2 したカンナビノイドですが、その後数十年間はあまり知られないままでした。近年の基礎研究によって、この、汎用性が高く陶酔作用のない化合物が、カンナビノイド受容体 CB1 および CB2 のパーシャル・アゴニスト(部分的作動薬)であり、セロトニン 1A 受容体のアンタゴニスト(拮抗薬)であり、さらに抑制性神経伝達物質 GABA のアゴニストであることがわかりました。さらに CBG は、PPARy のアゴニストでもあり、α2-アドレナリン受容体のアゴニストでもあります3

その独特かつ有望な薬学的性質については二つのレビュー論文45がありますが、CBG が人体に及ぼす影響については比較的わずかな研究しか行われていません。CBG が豊富に含まれる大麻の品種など、ほんの数年前までは聞いたこともありませんでしたし、大麻製品の製造業者も CBG を手に入れるのは容易ではありませんでした。現在は CBG についてより多くのことがわかっており、かつてなかったほど幅広く製品に使われて、政府に規制されていない高 CBG 製品をオンラインで買うこともできます。それでも CBG はいまだに、州政府に認可されたディスペンサリーでさえ、比較的目立たない存在です。

でも、最新のトレンドや研究の結果を見れば、間もなくその状況も変わるかもしれません。

CBG の臨床使用

医療大麻に詳しい医師、ダスティン・スラックも、CBG の可能性を信じている一人です。メーン州にある彼の2つの統合医療クリニックでは、1年ほど前から、高CBG の大麻品種を使って患者を治療しています。「不安神経症、疼痛、睡眠障害に効果があることを示す兆候が見られます。通常は、同様の症状を CBD で治療するときよりも用量は低いです」—スラックからの Eメールにはそう書かれています。「まれに見られる軽微な副作用の中で一番多いのは疲労感です」

患者を診療するほか、スラック医師は Healer.com という教育のためのプラットフォームを運営しています。そこでは、メーン州でオーガニック栽培されたヘンプから作られる製品も販売しており、その中には CBG のカプセルやオイルも含まれています。このウェブサイトはこれらの製品について、「鎮静作用があり、CBDCBDA で改善されない不定期的な不眠、身体の緊張、闘争逃走反応、神経の不快症状に優れた効果を発揮する」と説明しています。また、CBD と違うところは、CBDTHCCB1 受容体に対する作用を阻害するのに対し、CBG は大麻がもたらすハイを弱めないという点です。

スラックのウェブサイトにある、CBG の持つ医療効果についてまとめた記事は、CBG について現在わかっていることの多くは培養細胞や動物を使った基礎研究に基づくものであることをことわったうえで、CBG は「炎症性腸疾患その他の炎症性疾患、緑内障、気分障害、神経性疼痛その他の症状の改善に有望である」と述べています。

CBGと小児疾患

カリフォルニアを拠点とする医療大麻の医師、ボニ・ゴールドスタインも、不安、多動症、消化器官の問題、発話障害といった、自閉症に伴う症状に苦しむ子どもたちを含め、患者に CBG を処方することがあります。ゴールドスタインによれば、通常は、すでに摂っている CBDTHCCBG を追加することが多く、ごく少量から始めて、効果が見られるところまで徐々に用量を漸増させていきます。

『Cannabis Is Medicne』という本の著者でもあるゴールドスタイン博士は、患者に見られる効果の多くは、CBG が持つ抗炎症作用が関与しているのではないかと考えています。いずれにしろ、CBG が人体(特に子ども)に及ぼす作用についての研究データが少なく、またすべてのカンナビノイドに言えることですが効果は人によって千差万別なので、いくらかの当て推量はやむを得ません。また、すべての患者に効果があるわけではないことも博士は認めます。

CBG の研究は十分ではありませんが、次のようなことはお伝えできます」と博士は言います。「CBG が、自閉症の子どもの一部の問題行動を悪化させた例がありました。でもそういうときはすぐに使うのをやめればいいんです。患者によっては、特定の大麻品種だけが効くこともあります。現時点では、ほとんどの家族が試行錯誤している段階です」

成人患者の場合、CBG は不安神経症と疼痛に奏効した例があり、その中には CBD が効かなかった人、あるいはあまりにも高用量が必要で CBD を使い続けることが経済的に無理な人も含まれています。

アンケート調査の結果

スラックとゴールドスタインが臨床現場で CBG を使って得られた経験は、『Cannabis and Cannabinoid Research』誌の 2022年 10月号に掲載された、CBG のユーザー 127名を対象としたアンケート調査6 の結果にも表れているようです。この調査は、医療大麻研究のベテランである CReDO Science 社のイーサン・ルッソが、ワシントン州立大学およびカリフォルニア大学の研究者らと 2020年の終わりに行ったもので、CBG が優位な大麻を使用している患者の調査としては初めてのものです。

回答者は、不安神経症、慢性疼痛、うつ病、不眠症に — 多くの場合は標準治療の処方薬よりも — 効果があり、深刻な副作用も離脱症状もなかったと回答しています。主著者であるルッソ博士は、「患者はさまざまな症状に対して CBG を使い、ほぼ例外なく効果があった」と述べています。

これはあくまでもアンケート調査であって臨床試験ではなく、研究者は実際に患者が使う製品をコントロールすることも確認することもできなかったという点は忘れてはなりません。製品に含まれるカンナビノイド全量のうち、CBG が少なくとも 50% 以上であることが回答の条件ではありましたが、回答者の中には、量は少ないものの CBDTHCCBN も摂取していたと答えた人もいました。

ルッソ博士は、より信頼できる方法で CBG の人間への作用の追跡調査を行っているとのことですが、その結果を待たずとも、明らかに効果があること、安全であること、用量が少なくていいことなどを考えると、CBG はいずれ大々的に使われるようになると予測しています。と同時に、願わくば、CBD の流行が生んだ、あまりにも行き過ぎた宣伝や商品展開(と、それに伴う品質管理の問題)は避けたいものです。

「私はもう随分前から、CBG は非常に有望であるにもかかわらず十分な注目が与えられていないと考えていました」とルッソ博士は言います。「私たちはこの 10年、カンナビジオールによる医療大麻の革命を見てきました。カンナビゲロールもそれと同じくらいエキサイティングな展開が期待できると思いますよ」



Nate Seltenrich は、サンフランシスコのベイエリアに住む科学ジャーナリスト。環境問題、神経科学、薬理学を含む幅広いテーマについて執筆している。

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参照文献

  1. Gaoni Y, Mechoulam R. The structure and function of cannabigerol, a new hashish constituent. Proc Chem Soc. 1964;1:82
  2. Gaoni Y, Mechoulam R. The isolation and structure of delta-1-tetrahydrocannabinol and other neutral cannabinoids from hashish. J Am Chem Soc. 1971;93:217–224.
  3. Nachnani, Rahul et al. “The Pharmacological Case for Cannabigerol.” The Journal of pharmacology and experimental therapeutics vol. 376,2 (2021): 204-212. doi:10.1124/jpet.120.000340
  4. Jastrząb, Anna et al. “The Origin and Biomedical Relevance of Cannabigerol.” International journal of molecular sciences vol. 23,14 7929. 19 Jul. 2022, doi:10.3390/ijms23147929
  5. Calapai, Fabrizio et al. “Pharmacological Aspects and Biological Effects of Cannabigerol and Its Synthetic Derivatives.” Evidence-based complementary and alternative medicine : eCAM vol. 2022 3336516. 8 Nov. 2022, doi:10.1155/2022/3336516
  6. Russo, Ethan B et al. “Survey of Patients Employing Cannabigerol-Predominant Cannabis Preparations: Perceived Medical Effects, Adverse Events, and Withdrawal Symptoms.” Cannabis and cannabinoid research vol. 7,5 (2022): 706-716. doi:10.1089/can.2021.0058

 

Revision date: 
11月 30, 2022

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