
カンナビノイドのバイオアベイラビリティ(生体利用効率)が低いと人々は嘆きます。THCやCBDを口から摂取しても、血中に吸収されるのは10%以下なのです。
そこでミネソタ大学の薬理学者による最近の研究では、食事とCBDの吸収率の関係を調べました。通常、研究の対象になる人は、朝、朝食の前にCBDを摂るように指示されます。そうすることで結果のばらつきは減りますが、同時に体がCBDを吸収しにくくもなります。お腹がいっぱいのときは、CBDは消化管に長く留まり、それだけ体に吸収される時間も長くなります。特に油っこい食事の場合、体は油を吸収しようとし、それと一緒にCBDも吸収されます。そして研究の結果はまさにそのとおりでした。油っこい食事の30分後にCBDを摂ったところ、CBDの吸収量が5倍近くになったのです。先に食事をした人の最高血中濃度は、そうでない人の 14倍でした。
このことは、CBDを摂る前に食事をすることで必要な用量が減るということを示唆していますが、これは同時に、薬物感相互作用が起きる可能性も高まるということです。研究者らは、高脂肪食であるケトン食療法を行っているてんかん患者はこの点を考慮すべきであると述べています。その場合、CBDの量は減らす必要があるかもしれません。
ただし、バイオアベイラビリティにあまりこだわる必要はありません。カンナビノイドは代謝されて別の活性分子になります。THCは、THCよりも陶酔作用の強い11-OH-THCに変換されますし、CBDは、抗てんかん作用があるとされる7-COOH-CBDになります。通常バイオアベイラビリティの数字には、これらの化学物質は含まれていないのです。